■ テクニカルチャートの見方
● 移動平均線
大まかな判断方法としては上昇トレンドなら移動平均を相場が割らなければ上げ基調は継続し、下降トレンドなら移動平均を相場が上回らなければ下げ基調が継続していると考えられる。また、基調が非常に強い(上昇・下降の角度が大きい)場合相場は上昇場面では中期線で支えられ、下降場面でも中期線でも支えられる。一度基調転換すると、反対勢力の攻勢が強まって中期線を突破しても長期線で支えられる
● エンベロープ
エンベロープの上限、下限をトレンド形成の目安として利用します。保合い局面が続いた後、価格がエンベロープの上限線を上に突き抜ければ、上昇トレンドが形成されたと判断して「買い」ポジションをとります。逆に下限線を下に突き抜ければ、下落トレンドが形成されたと判断して「売り」ポジションをとります。
● ストキャスティクス
ストキャスティクス(Stochastics)はRSI同様、買われ過ぎ、売られ過ぎを示すオシレーターです。0〜100(%)で表わされ、価格がある一定のレンジ内で動くときに有効です。 反対に、レンジ内の値動きではなく、大きなトレンドが形成される場合には弱いという欠点があります。ストキャスティクの数値は、100%に近いほど買われ過ぎ、0%に近いほど売られすぎを示します。
売買の目安とする時の基本は、ラインの70%以上30%以下に注目する。特に85%以上に位置した場合の売りサインや、15%以下となった場合の買いサインの信頼度は高い。
相場が上昇を続けているのに%Dが70%以上の位置で右下がりのダブル・トップ型となった場合の逆行現象は弱気サイン。逆に、相場が下落し続ける一方、%Dが30%以下で右肩上がりのダブル・ボトム型となれば強気サイン。
%Dとslow%Dが 1の条件を満たした上で交差した場合も重要。この時、2つのケースが考えられる。つまり%Dが先に方向転換してslow%Dと交差する場合と遅行するslow%Dが方向転換した後に%Dが追いかける格好で交差する場合がある。この2つのうち、相場の転換につながる確率が高いのは後者の方である。しかし、単純に交差した場合より、2の条件も満たしている場合は信頼度がより高くなる。
● 相対力指数
70%以上になれば高値警戒感が台頭し、相場は天井圏に、30%以下になればつっこみ売り警戒感が台頭し、相場は底値圏に突入するとされている。
80%以上になると買い過剰で相場反落の、逆に20%以下になる売り過剰で相場反発の公算が大とされている。
なお、70%以上で売り、30%以下で買う方法はいつでも通用するものではないので注意が必要である。たとえば、相場が中期的に上昇トレンドにある場合は、70%以上から50%あたりまで下げてきたときが押し目買いのポイントになる。30%以下にはなかなか下げない。もし、30%以下に下げるようなら、上昇基調が崩れて下降相場に入っている可能性が高くなるので要注意である。逆に、中期的な下降トレンドにあるときは、50%前後の水準が戻り売りのポイントとなるケースが多い。
● ディレクショナル・ムーブメント
PDIがMDIよりも上方に位置するときはプラスの方向への動きが大きいことを表しています。反対にMDIが上方に位置するときはマイナス方向への動きが大きいことを表しています。したがってPDIがMDIよりも上方に位置するときを「上昇トレンドのある状態」MDIがPDIよりも上方に位置するときを「下降トレンドのある状態」と判断します。PDI、MDIのクロス地点が売買のポイントとなります。ADXが上向きに変化したところは、一定方向への相場の値動きに勢いがついてきたということを示しています。ADXRはADXが上向きに推移したかどうかを判断するための目安として用いる指標です。2本の平均線のクロスと同様に、ADXがADXRを上下に抜けるポイントをADXの向きの判断の基準とします。
● MACDトレーディング・メソッド
MACDがSignalを下方から上に抜いたときを買いサイン、逆に上方から下に抜ければ売りサインとなる。トレンドの面では、MACDにトレンドラインを引いて、これをフォローする方法もある。また、ゼロの目盛り線と交差するか否かもポイントになる。つまり、MACDがSignalを上抜いて買いサインが出た後、2本の線がゼロラインを上回れば上昇は本物と見なし、逆の場合は本格的下げ基調と見なす。さらに、相場がかなりの水準まで上げた後、もしくは下げた後に2本の線が相場との逆行現象を見せた場合は、天井や底を暗示する。
● 順位相関係数
RCIがマイナス(プラス)エリアの時は、下降(上昇)トレンド期である。相場が毎日下落(上昇)していけば、RCIは−100%(100%)に近づく訳ですが、−95%(95%)を下(上)抜けてくると売られ(買われ)過ぎであり、買い(売り)シグナルと判断する。この状態から更にRCIが反発(反落)し始めると、その確率は高くなる。
● ボリンジャーバンド
上昇中の移動平均線より値段が上に位置している上昇トレンド期は、上限線が上値抵抗線、移動平均線が支持線として作用する。
下降中の移動平均線より値段が下に位置している下降トレンド期は、移動平均線が上値抵抗線、下限線が支持線として作用する
価格が支持線または抵抗線を、下から上に抜けたときが買い、上から下へ抜けたときが売りの仕掛け時となる。
● 一目均衡表
基準線と転換線
基本的には、転換線が基準線よりも下にある場合は売りスタンスで、転換線が基準線を越えていたら、買いスタンスと判断する。転換線と基準線がクロスしたところを「ゴールデンクロス」,「デッドクロス」と判断することもできる。更に、終値と転換線であげ局面では終値が転換線の上で、下げ局面では終値がしたで推移していることで売買のスタンスを判断することもできる。
先行スパン
先行スパン@と先行スパンA二本の線で囲まれた範囲が抵抗帯となるが、相場がその抵抗帯よりも上にあれば「押し目買い」下にあれば「戻り売り」とされている。また、抵抗帯の「厚み」と「くびれ」も重要なポイントとなる。
遅行スパン
遅行スパンが下方から26日前の終値を突破すれば、上放れと見なす。しかし、その寸前まで行きながら、突破できなかったとなると、相場は引き続き下落基調をたどるとされている。逆に、26日前の終値の上方に位置していた遅行スパンが終値を下抜いた場合は売りサインとなり、下抜かなければ強気相場の継続を暗示する